When I grow up I wanna be …

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When I grow up I wanna be a kabuki actor.
Do you think I could make it?

大きくなったら。。。

ボク、大きくなったら、歌舞伎役者になりたいの。

なれると思う?

  ⋄   ⋄   ⋄

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Gazing subtle shadows of the winter sun

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Gazing subtle shadows of the winter sun

Sinking behind the distant trees

Wandering on the hazy farm road in the foreign land

Contemplating the meaning of my existence

*   *   *

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稜線の光

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霜が降りたばかりの朝焼けの野原に

祖父の背中を追いかける五歳の私の幻影が映る

 ⁻

麦わら帽子を掴み

キノコ採りに出る祖父の背中に向かって

祖母は一体何と声をかけていたのだろう

 ₋

言い出したら聞かない駄々っ子のように

返事もせずに

祖父は一心に山を目指した

 ⁻

ナラ林の下生えを

音を立てて踏みつける祖父の背中を

私はひたすら追いかけた

 ₋

湿った苔の匂いが沈滞する樹木の枝葉の合間から

傾きかけた午後の日差しが入り込んでも

祖父は前に向かって進んで行った

振り返らずに 

 ⁻

鬱蒼と茂る木々の枝葉の隙間に

わずかに覗く西の空に向かって

翳す私の左手を

柔らかな木洩れ日は包み込んだ

夕刻の稜線を照らす光のように 

 ₋

私は

カブトムシの幼虫と戯れ

飛び交う鳥のさえずりに耳を澄まし

野花を摘んだ

祖父の背負い籠がいっぱいになるまで 

 ⁻

もしかすると

私が吹く笹笛の音は

祖父の耳に届かなかったのかもしれない

 ₋

もしかすると

祖父の小宇宙にも

私は存在していなかったのかもしれない

*   *   *

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赤と白と君色と。。。

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たとえ 

どんなに遠くに離れていても、

君の小さな指先が

あの日、私にくれた満ち足りた感覚のように、

君が生まれた国で紡がれた

様々な糸が織りなす色彩の

この手毬の模様のように、

君のこれからの人生が

君自身に

より多くの彩りを残してくれたら、

それ以上のしあわせはないのだろうと思う。

*   *   *

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忘れられない人々 16.木造校舎への入り口

 父方の祖母が商店を営む温泉街の外れに建つ新しい家に引っ越してから間もなく、私は母に手を引かれて初めて新しい学校に行きました。その日は、私の小学校の入学式だったのです。
 校門に立って真正面を眺めると、こげ茶色の二階建ての古い木造校舎がそびえていました。門を少し下って、なだらかな斜面が平坦になった辺りから始まる広い校庭の北側の校舎の前には、国旗掲揚塔や花壇がありました。二ヶ所あるうちの中ほどの入り口辺りには、帰宅後に祖母が教えてくれた「がくもんの、かみさま」の像も立っていました。
 外観の板壁には、雨上がりには湿った木の匂いが校庭いっぱいに漂ってきそうな木枠の窓が沢山はめ込まれていました。
 戸袋のない外壁を眺めながら、雨戸が隠れている場所を探してみたり、校舎の中の様子を想像したりしてみました。

 目の前の木造校舎は、階段が3ヶ所についていて従姉兄たちが全員集まった時にたとえ全員分の布団を敷いても、襖を開けると次の間にはもっと布団が敷けて、さらに奥の襖を開けると山や線路や駅舎が眺められるように、壁一面に大きな窓が設えられた次の次の間に続き、他にも数ある部屋のどの押入れの中からも、打ち直しされたばかりの綿の布団がどんどん出てくる母方の祖父母のお屋敷よりも巨大でした。
 また、長い廊下を挟んで両側にかくれがを探すための板戸や襖や障子が何枚もあり、八畳間の押入れの中の座布団全部を高く積み重ねてそのてっぺんに正座して転げ落ちないようにバランスを取って遊ぶための縁側もある、私の新しい二階建ての家よりも、もっともっと巨大でした。
 新しい家の二階の一間には「きよさん」が住んでいたし、母の実家にも富山の「くすりやさん」さんとか鎌倉の「かまくらさん」とか見知らぬ大人が始終出入りして寝泊りしていましたが、目の前のこの校舎の中にはもっと沢山の下宿人が住み込めそうでした。
 
 
 母が指差しながら教えてくれた西側の一年生の教室がある校舎の前には、ブランコもジャングルジムもありました。
 西側の校舎と北側の校舎をL字でつなぐ角の講堂の向こうにあるはずの、はげ山の頂上がほんの少ししか見えないほど、目の前の校舎は高くそびえ立っているのでした。
 私は、ひとめでその校舎が気に入りました。

 校門の前で写真撮影をしている人達の順番を待っている間に、ブランコに腰かけて国旗掲揚塔の日の丸の旗を見上げたり校庭を眺めたりしていると、誰かのおかあさんと話をしていた母が、お友達に会いに行こう、と弾んだ声で言いました。母は、履いていた私の袴のおしりの辺りについた埃を落とすと、お友達なんて一人もいないとためらっている私の手を引いて、すたすたと校舎に向かって歩き始めました。

 昇降口で素早くスリッパに履き替え、子ども用のスリッパに履き替えた私の手を引いて足早に講堂に入った母は、沢山の椅子が並んでいるステージの前に私を連れて行き、そこで待っているように促すと、真新しそうな白い上履きを履いて講堂をぐるぐる走り回ってお友達と遊んでいたひとりの女の子に声をかけました。
 ちょっとの間かがみこんで話をしていた母が、綺麗な髪飾りであげた前髪を額の上で留めていておでこが出ている女の子を連れてくると、その子は、初めて会う私に自分の名前を言ってから、大きな声で「おともだちになろうね。」と言ってくれました。 
 「なかよくなれるかな。」と私は思いました。私は着物を着て袴をはいていたのですが、その子はお洒落なワンピースを着ていたからです。

<次回に続きます。>

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