キッチンの窓辺に、いつの間にか沢山集まった、洗ったばかりのパワーストーンが置いてあります。
もう10年ほど前のことですが、娘が南アメリカの国へ行ったときのお土産に、と、小さなパワーストーンを集めて作られたネックレスを贈ってくれたことがあったのですが、あのネックレスの色合いによく似た石ばかりです。長いこと大切にしていたそのネックレスは、3年以上前の日本への里帰りの際にも着けていました。
寝室のベッドに横たわって父の庭園の風景を眺めていた母の首にかけたり、外しては、母の隣りに寝そべりながら、ネックレスの石を一個ずつ触って家族ひとりひとりの名前を唱えては、母と一緒に祈りをささげたりしたものでした。
あの年の春は、何回か日米間を往復したのですが、母の葬儀の後にアメリカに帰ってくる前に持ち帰らずに、実家に置いてきました。
かつて中学生だった私や姉妹たちへと、長崎の修道院のシスターGが贈ってくれたメダイのように私の心をなごませてくれた、ロザリオのようなあの魔法のネックレスは、今も実家の寝室のベッド脇の引き出しの中で、そっと父を見守ってくれているのかもしれません。
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