《 最新アルバムリリース間近!ジョージ・ウィンストンさんへのインタビュー 》

フォークピアノの演奏家で作曲家でもあるアメリカのピアニスト、ジョージ・ウィンストン(George Winston)さんが、2017年3月31日、RCAレコード(RCA Records)から、最新作キャンサーリサーチ・ベネフィット・アルバム「スプリング・カルーセル(SPRING CAROUSEL)」をリリースします。

日本でも、1980年代後半にオータム(Autumn) でブレイクし、40年以上活躍されているウィンストンさんですが、実は、2012年アイダホ州サンドポイントのコンサートの際に体調不良で救急病院に運ばれ、同年9月13日からカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のドゥアルテにあるシティ・オブ・ホープ(City of Hope)国立医療センター に入院。骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndrome:MDS)と診断され、11月22日に骨髄移植を受けられた後約半年間、シティ・オブ・ホープで治療に専念されていたそうです。

3月31日の新作のアルバムのリリースを前に、先日インタビューさせていただいたので、今日は、その時に伺ったお話をお届けします。

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Q:ウィンストンさん、新しく制作されたアルバム、癌研究支援のためのアルバム「スプリング・カルーセル」のリリースの日、2017年3月31日が近づいていますね。おめでとうございます。40年以上ピアノを弾いてこられて、EPとシングルを含み、この作品は19作目のアルバムとなりますが、新しいアルバムについてご感想をお訊かせくださいますか。

GW:新しくアルバムをリリースできて嬉しいです。この「癌リサーチ支援のアルバム‐スプリング・カルーセル」は、僕が2013年に治療を受けていた、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のドゥアルテにある「シティ・オブ・ホープ」を支援するためのアルバムです。僕はそこの近くのビレッジに滞在していました。「シティ・オブ・ホープ」には「ビレッジ」と呼ばれるコンプレックスがあり、リサーチ研究所の施設や病院があるのです。住まいが遠くにある場合そこに滞在して、週に2,3回そこから歩いてドクターに会いに行けるんです。暫くは頻繁に、それから徐々に予約の数が減ってきます。僕は、いつでもそこのオーディトリアムにあるピアノを弾くことが出来ました。ツアーを再開してから(今回収録したアルバム用の)曲作りを始めました。アルバムには3の種類の曲を収録しています。ひとつめを「カルーセル(Carousel)」と名付けたのですが、そこには循環的な曲を集めました。回転しているような、環状の、少しオルゴールのような。。。スティーブ・ライヒ(Steve Reich)の影響なのですが、回っている惑星とか銀河系とかをイメージするカルーセルのミディアム・テンポとアップテンポの曲を集めたのです。

ふたつめの「ブーケbouquets」はバラードでスローな曲です。みっつ目は「ミズ・ミステリー(Ms Msteries)」で、そこにはアップテンポの曲で、それらがアルバムに収録された3種類です。リリースできて良かったです。これで「シティ・オブ・ホープ」の支援ができますから。あそこと、あそこでの治療、ピアノ、「シティ・オブ・ホープ」での出来事全てがあったからこそ、このアルバムが存在するのです。だから、僕にとって、このアルバム制作で「シティ・オブ・ホープ」を支援することは明らかだったのです。

 

Q:このアルバムはiTunesでもプレオーダーできるそうですが、アルバム・セールスの収益金は直接「シティ・オブ・ホープ」へ寄贈されるのですか。

GW:iTunesも売り上げを「シティ・オブ・ホープ」に寄付していますが、僕のほうでは、すべての収益を寄贈するつもりです。1年半前にEPで3曲発表したんですよ。「シティ・オブ・ホープ」と連携していたiTunesが、アルバム制作をしないかと声をかけてくれたのですが、その時はしなかったので、それなら「シティ・オブ・ホープ」支援のための短いEPを作ってみないかということになったんです。それが、今回リリースしたアルバムの序章となったわけです。iTunesも彼らの収益を寄贈しているというのは、素晴らしいことですね。

 

Q:アルバムのタイトル「スプリング・カルーセル」は、どんなところから考案されたのですか。

GW:このアルバムを「スプリング・カルーセル」に決めたのは、このアルバムはもともと2つのアルバムで、ひとつは、「バラード風のブーケ」と「ミズ・ミステリーズ」から成る「スプリング」、別のほうが「カルーセル」だったからです。カルーセルには20曲あったのですが、アルバムには10曲を入れませんでした。いっしょに聴いてしっくりくる曲を選んだんですが、アルバムの中で最高に相性が良いと思われる15曲だけを残したのです。何曲かはアルバム「スプリング」に、別の何曲かはアルバム「カルーセル」に入っていたから「スプリング・カルーセル」にしたんですが、すべてのことが2013年の春に起きたということもあって、アルバムのタイトルを決定したんです。

実際は59曲あったんです。15曲と限定されていたわけではないし、数が決まっていたわけでもないんですが、(アルバムとして)発表するのに最もしっくりくる曲を選んだんです。選んだ15曲が相性が良かったんです、59曲の中から15曲に絞るまでにはかなりの時間がかかりましたけどね。

 

Q:「シティ・オブ・ホープ」には、どれ位の期間入院されていたのですか。また、そこでは何曲作曲をされたんですか。退院されてから作った曲もありますか。

GW:2012年の9月中旬に入院し、病院とビレッジとで2013年の3月までだったと思います。たぶん、2013年の2月と3月にそこのピアノを弾いていました。

意図して作曲しようとしたことはありません。作曲家気質というわけではないんです。たまたま曲を思いつくんです。曲が思い浮かぶと、たいてい、3,4分のうちに一気に全てが起こります。曲がすぐに弾ける、ということではないんですが、これが曲で、これがコードで、これがブリッジで、これがエンディングで、そして僕はピアノに向かうという具合です。つまり全くの偶然です。たまたま時々ハミングバードを見かけたり猫が現れたりするように、偶然に曲を思いつくのです。思いついた曲がとどまらないこともあるんです。曲によっては作曲できることもありますが、一週間後にほとんど何も残っていないこともある。つまり、僕は作曲家気質ではないが何か浮かべば作曲をする、ということです。このことに関してはかなりニュートラルな考えなんです。

曲が思いつかなくても気にならないし、無理に何か作曲しようとも思わないし、もちろん(思いつかなくても)作曲するということに賛成しないわけではないんですよ。曲はどこかにフィットさせなくちゃならない、コンサートで弾く曲、将来アルバムに入れるものとか、または、何かに使おうという概念からでなくレコーディングしてしまうこともある。時間が経つとそれが使える状況が来るということもある。10年後とかに、この曲をこのアルバムで使おう、とか次のアルバム5つか6つに同時進行で取り組めることもあるしね。支援アルバムNO3とNO4,ドアーズのアルバムNO2、ヴィンス・グラルディNO3 、NO4、ハーモニカNO2、ナイト・オブ・ラブストーリーNO1とNO2、プロフェッサー・ロングヘアなどアルバム10作品のように。僕は、ガーデニングをする時のように、曲をゆっくりと育むんです。全てを注意深く見守っていると、徐々にゆっくりと全てが成長するんです。無理強いはしません。植物を無理やり育てることはできないんです。水を与えることはできるけれど、「早く大きくなれ。」とは言えない、自然に育つのを待つんです。

 

Q:今回のアルバムの中でとりわけ思い出深い曲はありますか。

GW:ゴッバジー(Gobajie)! (トラック12. PIXIE #13 in C [Gobajie]) (おどけた表情で、コンサートのプログラムやアルバムにもよく登場する猫の名前を呼んで、少し間をおいてから)わかるでしょう、すべてですよ。

 

Q:骨髄移植を受けご回復されてから、生活がどのように変わりましたか。

GW:骨髄移植を受けてから、このアルバムを収録したこと以外にとりわけ変わったことはありません。21世紀の「シティ・オブ・ホープ (City of Hope)」の治療は進化した素晴らしいもので、そのお陰で何事も起こらなかったかのようなんです。骨髄移植を受けたのが21世紀だったということを嬉しく思います。まあ変わったことといえば、新曲を作ってアルバムを手掛けたことと、シティ・オブ・ホープを支援できることと言えるかな。以前にも(シティ・オブ・ホープについて)聞いたことはあったんですが、それは非営利団体で、研究施設と癌センターがあるところです。それと、そこはまた、他にも僕が協力している「ビー・ザ・マッチ(Be the Match)」という骨髄を提供するドナーと骨髄移植の必要がある人々をサポートする組織とも提携してるんです。科学的にドナーと移植対象患者の適合性を調べて、骨髄移植を可能にすることに取り組んでいます。これらすべての機関に協力できるということは素晴らしいことです。

骨髄の提供は、献血ほど知られていません。献血については誰でも知ってますよね。だから、ビー・ザー・マッチ(Be the Match)を皆さんに知らせることが出来ることを嬉しく思っています。また、骨髄提供は以前より、より簡単にできるようになっているのに、周知する必要があるのにまだあまり知られてはいない。みんな献血や赤十字や献血の日を設けている会社については知っていますよね。ですから、シティ・オブ・ホープとビー・ザ・マッチ両方と提携できることを嬉しく思ってるんです。

 

Q:入院中ウィンストンさんが病院で夜遅くにピアノのセッションをしてらしたという記事を読んだことがあるのですが、どれ位ピアノを弾いていたのですか。

GW:ああ、僕がシティ・オブ・ホープのビレッジにいた時は、毎晩ピアノに向かっていました。時には午後4時のこともあったし、真夜中のこともあったし、早朝3時とか。毎日少しずつ違ってたんですが、ある時は1時間、ある時は2時間、時には10時間ということもありました。状況にもよりましたけどね。

 

Q:主治医の先生について少し話していただけますか。

GW:ドクター・スティーブン・フォーマンが僕の主治医ですが、血液学においては世界的な権威の医師で、素晴らしい人です。今は友人として音楽の話をすることもあるし、ロサンゼルスのコンサートに来てくれたこともありました。彼と一緒に研究ができて嬉しいです。ドクターは、かつて1年がかりだった研究結果が1週間でわかることが出来るようになったと言っていました。骨髄移植を受ける患者の年齢制限も、以前はかなり低かったのに、今日では70歳でも可能になり、成功するかしないかはわからないが、希望すれば80歳でも骨髄移植を受けることができる、と言っていました。とにかくドクター・フォーマンがあそこにいてくれリサーチが進んでいることは素晴らしいことです。全ての人が、どこにいても受けられるこれらの21世紀の全ての医療は、本当に素晴らしいですよ。

 

Q:慈善活動の面では、コンサートでのCDの売り上げの寄付、1986年から始められたというコンサート会場でのフードバンク(食糧供給所)への寄付のための食料品の収集にご尽力されています。また、ベネフィット・シングルやEPをリリースされましたが、今回のは4作目の支援アルバムになりますか。他にも現在手掛けている支援アルバムはありますか。

GW:ニューオーリンズのカトリーナ(2005年8月23日から31日にかけてアメリカ合衆国の南東部を襲った大型のハリケーン・カトリーナ)やナイン・イレブン(9/11 : 2001年9月1日にアメリカ国内で同時に多発したテロ事件)のような災害が起こると、全ての人が援助を試みます。(2010年4月20日ルイジアナ沖のメキシコ湾で起きた)原油流出事故のときもそうでしたが、みんな援助しようとしましたね。僕が最善を尽くすとすれば、支援コンサートを開いたり、もし曲作りができれば支援アルバムを制作すること。でも、曲がなければ(アルバム制作による支援は)できないのです。2010年のハイチ地震(2010年1月12日16時53分にハイチ共和国で起こったマグニチュード (M) 7.0の地震)の後も何かしたかったんですが、ハイチ的な音楽との大きな関わりがなかった。思いはあったんですが、音楽が生まれなかったんです。

僕の音楽の主なインスピレーションは、季節と季節のある地域の異なる地誌学です。そして3つ目の構成要素は、社会学的な要素です。カトリーナがニューオーリンズを襲う、ナイン・イレブンや原油流出事故が発生し、それらが地域に影響を及ぼす。僕の音楽で支援できること、何らかの災害が起きた時には特に。いつも支援コンサートはしていますが、あれば音楽を提供したいけれど、僕の音楽がいつもそこにあるというわけではない。音楽がなくてはいけない。なければできないのです。あれば良いのにと求めることが、そこにあるということではない。探すことはできるけれど、それは、自然に生まれなくてはならないものなんです。

最後に:ご病気や困難を乗り越えられ、エネルギッシュに活動されている内容や地域の人々のためにご尽力されている姿は素晴らしく、感嘆しています。今日はお時間をいただき有難うございました。

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新作アルバムは下記のリンクにてプレオーダー可能ですので、ぜひ!

iTunes – http://smarturl.it/SPRINGCAROUSELi
Apple Music – http://smarturl.it/SPRINGCAROUSELa
Spotify – http://smarturl.it/SPRINGCAROUSELs
Amazon – http://smarturl.it/SPRINGCAROUSELaz
Google – http://smarturl.it/SPRINGCAROUSELg

 

【データ】

ジョージ・ウィンストン(GEORGE WINSTON)

公式ウェブサイト http://www.georgewinston.com/
公式フェースブック・ページ https://www.facebook.com/georgewinstonpiano/
公式ツイッター・アカウント(@gwinstonpiano) https://twitter.com/gwinstonpiano
公式インスタグラム・アカウント https://www.instagram.com/george_winston_piano/

ダンシング・キャット・プロダクションズ(Dancing Cat Productions)
eメールアドレス:ml@dancingcat.com

JPカトラー・メディア(JPCutler Media) jesse@jpcutlermedia.com / ☎ 510-338-0881

スタインウェイ・アンド・サンズ・ピアノ(Steinway &Sons ) http://www.steinway.com/

デューク・エネルギー・センター・オブ・パフォーミング・アーツ(Duke Energy Center for the Performing Arts)フレッチャー・オペラ・ハウス
住所: 2 E South St, Raleigh, NC 27601
☎:919-996-8700 / URL: https://www.steinway.com/

 

*2015年までに発表された支援アルバム(シングルとEPを含む)

(The Velveteen Rabbit in 1984, Sadako and the Thousand Paper Cranes in 1995, Remembrance- Memorial Benefit in 2001, Gulf Coast Blues& Impressions : A Hurricane Relief Benefit in 2006, Gulf Coast Blues & Impressions 2 : A Louisiana Wetlands Benefit in 2012, Silent Night- A Benefit Single for Feeding America in 2013, Spring Carousel- A Cancer Research Benefit EP in 2015)

 

 

 

 

 

 

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